昨日は学童野球の県王者を決める第20回県学童軟式野球選手権大会を取材してきました。この大会は県の5大大会で優勝したチームが出場。今年は黒石野球クラブ、桜木野球少年団、リトルジャイアンツ、細江野球スポーツ少年団の4チームで争いました。
この年代で県トップレベルのチームが集まる大会。特徴的だったのは、4チーム中、2チームで女子がエースを務めていたことです。
桜木野球少年団の漢人茉彩は「中遠ヤングガールズ」の一員としても、全国ベスト16入りに貢献した右腕。兄・友也(現常葉菊川)にそっくりな(というか全く同じ)、腰を捻ったフォームから、勢いよく腕を振り抜きます。球速はすでに100キロを超えるということで、ストレートに伸びもあり、マウンドさばきも堂々としていました。小松康彦監督によると、幼稚園の頃から、兄にくっついて、練習にきていたそうです。「フォームについて、私はほとんど教えていません。幼い頃から兄を真似して投げているんだと思います」。準決勝では優勝した黒石野球クラブに敗れましたが、素質の片鱗は見せてくれました。
小澤拓馬(現日大国際関係学部)、小澤怜史(現ソフトバンク)など、近年、好選手を輩出するリトルジャイアンツのエースも女子でした。関優莉渚。父・孝浩さんはかつて日大三島で甲子園にも出場し、1年生ながら聖地のマウンドを踏んだ経験を持っています。そんな父から教え込まれたのでしょう。漢人よりも小柄ですが、三塁側見るとフォームがすごくきれい。見本にしたいくらいバランスがいいです。準決勝では1失点で完投。こちらも将来が楽しみです。
この日の2人のように、ここ数年、小学生、中学生世代での女子選手の活躍は目覚ましいものがあります。ただ、残念なことに、県内の女子選手が高校まで野球を続けようと思った場合、その受け皿となるチームがないのが現状です。どうしても、県外の強豪チームに進むしかありません。
県内に1チームでもいいので、女子野球部が創部されれば、静岡の野球界の活性化につながると思います。僕も彼女たちの成長を見ていきたいので、何とか実現してほしいです。(編集部・栗山)
<写真上から漢人茉彩(桜木野球少年団)、関優莉渚(リトルジャイアンツ)>